宇宙シロクマ

Tuscan Blue's blog

アニメ どろろ 先行上映会 感想


🍉1/7 追記🍉

拡樹さんのVRインタビュー動画を追記

 

🍉12/18 追記🍉

手塚治虫先生の公式記事を追記。

拡樹さんの走る速度について追記。

 

TVアニメ「どろろ」先行上映会 1部

上映作品:第1話、第2話

2018年12月15日(土)15:45~

TOHOシネマズ日比谷スクリーン12

登壇:

鈴木拡樹さん(百鬼丸

鈴木梨央さん(どろろ

天津・向さん(司会)

 

 

新作どろろ

 

 

百鬼丸にものすごく感情移入しながら見ていました。

 

あんなに無口なのにこんなに感情移入できるということは、キャラクター造形とアニメーションがすばらしいからだと思います。

 

また、キャストは演技力のある方ぞろいで、はまり役でしたので、重厚な世界観にはいりこめて堪能できました。

 

特に、醍醐の内田直哉さん、寿海の大塚明夫さん、琵琶丸の佐々木睦さんは、どろろ世界を大きな三本の柱で支えているような存在感で、さすがでした。

 

鈴木梨央さんも、どろろという複雑で重要なタイトルロールを上手に演じていました。

 

強くて、溌剌としていて、生活力があって、かわいらしい。

 

子供ながらに人生を知っているような影もあり、愛さずにはいられないどろろでした。

 

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上映会で配られた「アニメどろろ」と「舞台どろろ」のフライヤー

 

🍉ここから先は、1~2話に関するネタバレがあります(それ以降のネタバレはありません)🍉

 

 

まばたき

 

 

百鬼丸がどれくらい無口だったかというと、1話も2話も、ひとこともしゃべりませんでした……!

 

監督の古橋一浩さんが脚本家の小林靖子さんとの対談で、「百鬼丸は、しゃべらない」とおっしゃっていたので、「1話はずっとセリフなしでラストに一言だけあるとか、2話で初めて話すのかしら?」と予想していたのですが、まさかまさかの最後まで無言でした。

 

前作では、百鬼丸は最初から心の声で会話をしていたのですが、その設定がなくなっています。

 

そして、この改変が、とてもよかったのです。

 

百鬼丸は鬼神に声帯を奪われてしまったので声が出せない”ということが、非常にリアルに伝わってきたからです。

 

新たな脚本と演出によって、百鬼丸の「失われた感覚」と「取り戻したときの感覚」が、より鮮明に感じられました。

 

 

1話のラストで、百鬼丸は鬼神を倒して、奪われていた『顔の皮膚』を取り戻します。

 

その時に、生まれて初めて『まばたき』をするのです。

 

ぎこちない動きのまばたき一つに、ものすごく感動しました。

 

この感動は、百鬼丸自身の感動でもあると思います。

 

なにしろ生まれて初めての感覚なのですから。

 

最初は、突然の変化に、わけがわからなかったのではないかと思います。

 

 

目の近くで何かが動く奇妙な気配がある……少し重たい。

 

ふっと力を抜いたら、急に「それ」が落ちてきて、あたりは暗くなってしまった。

 

暗くなると同時に、なんだか楽にもなったような気がする……なんだろう、これは。

 

 

不思議な感覚だったことでしょう。

 

そんな感動的なまばたきで、第1話の幕が降りました。

 

百鬼丸が目を閉じたことで、張りつめた物語の幕も閉じたというわけです。

 

静かなようで、劇的な幕切れでした。

 

百鬼丸の内面で新たな宇宙が波打つように広がった瞬間です。

 

 

 

拡樹さんの百鬼丸

 

 

最初は、百鬼丸に拡樹さんのお芝居を重ねながら見ていました。

 

拡樹さんならこういう表情をするだろう、こういう所作をするだろう……と、思い浮かべながら見ているうちに百鬼丸にものすごく感情移入してしまい、大好きになってしまいました。

 

どれくらい好きかというと、

 

拡樹さんがいなければ百鬼丸と出会うこともなかったというのに、無口すぎたばかりに百鬼丸の本質を愛してしまい、どろろファンが見知らぬ俳優をむかえる気分をほんの少しだけ味わってしまったという運命のアイロニー😅💦

 

まだ1話と2話を見たかぎりですが、それほど凄い、非の打ちどころのない作品でした。

 

あとは拡樹さんの声が完璧であれば、画竜点睛となるわけです。

 

期待は高まる一方ですね(どきどき)

 

でも大丈夫!

 

と、わたしはわたしの中の百鬼丸ファンに語りかけます。

 

拡樹さんは百鬼丸のような演技は得意中の得意、というかむしろ百鬼丸を演じるために生まれてきたような人だから。

 

特に、新作アニメの百鬼丸は、当て書きしたのではないかと思うほど拡樹さんに適役だと思います。

 

予告を見た時点でも「この百鬼丸は拡樹さんに似ている……」と思ったのですが、本編を見てさらにそう思いました。

 

仮面をつけた無表情な顔……

 

義体をつけた姿……

 

人形のようにぎこちない動き…… 

 

百鬼丸からは、拡樹さんのお芝居が透けてみえるのです。

 

舞台上の百鬼丸は、かなり鮮明に思い浮かべることができます。

 

きっと最高の百鬼丸を見せてくれることでしょう。

 

アニメでのお芝居は未知数ですが、鈴木拡樹さんは期待にこたえてくれる方ですので、楽しみに待ちたいと思います。

 

 

上記の公式ツイートで、百鬼丸の声が少し聞けます。

 

わたしは元々、前作で百鬼丸を演じた野沢那智さんの声が最高に好きなので、拡樹さんがどんな声でくるのか気になっていました。

 

野沢さんの百鬼丸は低音で大人の男性のような声だったのですが(DVDで見ました)、拡樹さんの百鬼丸は16歳の少年らしい声ですね。

 

しかも、完全に『百鬼丸の声』を創ってきています。

 

新作アニメの百鬼丸にふさわしい声だと思います。

 

 

 

"人間"とは

 

 

たとえば『ピノキオ』は、人形の男の子が人間になることを夢見て、最終的に人間になる物語です。

 

この場合、人間の体を得たピノキオの様子は、「人らしくなった」といえるでしょう。

 

でも、百鬼丸ピノキオとは違います。

 

百鬼丸は人間の両親から生まれました。

 

生まれたときから人間なのです。

 

ただ、体の器官を鬼神に奪われてしまったために、それらが奪われなかった人とくらべると、できることが少ないというだけで、人間なのです。

 

今の時代において、『人間らしい』という言葉は、外見ではなく内面を形容する言葉だと思います。

 

人間らしい心、人間らしい精神……というように。

 

 

育ての親である寿海が徳の高い人物だったおかげで、百鬼丸の内面は豊かです。

 

たとえば、見知らぬ子供が土手をすべり落ちそうになっていたら、当然のように助けてあげます。

 

どろろへの対応も、とてもやさしい。

 

良きものである白い魂には手を出さず、悪い魂にだけ刀をむけて倒そうとします。

 

寿海やどろろのように、ずっとそばで百鬼丸を見ている人なら、そんな彼のことが理解できるでしょう。

 

ただ百鬼丸は、その人間らしい内面の豊かさを、誰にでもわかるように表現する方法をもっていないだけなのです。

 

それはたとえば、赤ちゃんにも感情や言いたいことがたくさんあるけれども、まだ言葉を知らず、体もうまく動かせないので周囲に伝えられないということと近いのではないでしょうか。

 

本作は、そんな百鬼丸が、魔神から体を一つ一つ取り戻していって、内面世界を表現するすべを得て、人として成長していく物語なのではないかと思います。

 

 

 

前作と新作

 

 

前作から改変されて、共感しやすくなっていたり、伝わりやすくなっていたところがたくさんありました。

 

例として、1話から3点あげますね。

 

 

父親(醍醐 景光

 

前作では、醍醐はみずから「天下を取れるようにしてくれたら、生まれてくる子供を生贄にする」と魔神に誓います。

 

酷い父親で、諸悪の根源であります。

 

しかし新作では、「なんでも好きなものをやろう」と誓うにとどまっていて、子供を生贄にするという発想はなかったようです。

 

(生まれた直後に鬼神に体を奪われてしまった百鬼丸を見て、悲しまずに喜んでいたので、酷い人間であることに変わりはありませんけれども。)

 

『人間の浅知恵がこんな結果に……』という展開になったことで、ドラマにさらに深みがでたように思います。

 

 

母親(縫の方)

 

前作では、百鬼丸を捨ててしまうまでの流れが割とあっさりしていました。

 

運命を嘆くだけの弱い母親で、あまり子供への愛が感じられませんでした。

 

一方、新作では激しく抵抗して悲しんでいたので、深い愛が感じられたのが救いでした。

 

 

川流し

 

前作では、百鬼丸は両親によってタライで川に流されました。

 

ところが新作では、老婆がひとりでその役割をにないます。両親はついてきません。

 

老婆は、赤子を川に捨てること(=殺すこと)には慣れていると言っていたので、産婆でしょうか。

 

戦乱の世では、さまざまな事情から、産婆が赤子を川に流すことがよくあったのでしょう。

 

身分のある両親が直接流すよりも、リアルだと思いました。

 

古今東西の物語に、『子供を殺すように命じられた家来が情けをかけて、生きのびられるように望みをたくして捨てる』というエピソードがあります。

 

老婆も、一度は川に沈めようとするのですが、百鬼丸が生きたがっている気配を察して、しっかりとした小舟にのせて流すことにします。

 

「あとはおまえの運次第」と言って……

 

そのおかげで、百鬼丸が生きのびた展開に説得力が生まれていました。

 

 

百鬼丸を助けた老婆がその直後に殺されてしまうという展開は、このアニメの厳しさを物語っています。

 

 

 

脚本(小林靖子さん)

 

 

とてもよく練られている凄い脚本で、感動しました。

 

まるで大自然で生きる野生動物の世界のような厳しさがあります。

 

たとえば新作では、百鬼丸が鬼神を倒して体を取り戻したときに、父親がおさめる故郷に天変地異が起こりました。

 

これは原作にも前作アニメにもなかった展開です。

 

おそらく鬼神を一柱倒すたびに、故郷にある鬼神像が一体破壊され、土地も荒れてしまうという設定なのではないでしょうか(想像)

 

つまり、百鬼丸が幸せになるたびに、故郷の人々が不幸になってしまうというわけです。

 

心やさしい百鬼丸がそれを知ったら、どれほど苦しむことでしょう……

 

 

さらには、これで父親が百鬼丸と戦う理由づけも明確になりました。

 

父親はおそらく、自分の領地を守るために百鬼丸を殺そうとするのではないかと思います(←先の展開は知らないので、あくまで想像です)

 

冷徹な視線がつらぬかれた脚本だと思います。

 

 

 

トークショー

 

 

拡樹さんが自己紹介で、「鈴木拡樹です。無口を売りにしています」 と言ったのがとってもおもしろかったです😉

 

ニコラウスを越える無口さでしたからね!

 

早く声帯をとりもどせる日がくることを祈っています… ʕ -人- ʔ

 

 

トークショー動画が1週間限定で公開されています。

 

3人ともお話がおもしろくて、とても楽しかったので、ぜひごらんになってみてくださいねʕ^ᴥ^ʔฅ

 

 

拡樹さんはこれまで1人で収録をしていて、上映会の前日に初めて共演者とお会いして収録したそうです。

 

「ひとりで収録しているときは発見が少なかったのですが、みなさんとやらせていただいて、いろんなことを学んで吸収することができました」

 

というお話が心に残っています。

 

わたしはひとりで何かをすることのほうが多いのですが、ひとりよりも、誰かと一緒のほうが確かに発見が多いです。

 

拡樹さんの言葉で、いろいろと想像して、「本当にそうですよね……」と、しみじみと感じ入りました。

 

 

🍉1/7 追記🍉

 

上映会の日に撮影されたVRインタビュー動画で、拡樹さんが「先輩方と収録した際にどのような発見があったのか」について語っています。

 

とても深いインタビューでしたので、別記事にしました。

 

🍉 🍉 🍉

 

それから、並走おばけ!

 

「自分が妖怪だったら何妖怪だと思いますか?」という質問に、拡樹さんは、「夜、自転車をこいでいると並走してくるおばけ」と答えたのです(!)

 

拡樹さんは幼稚園くらいからずっとランニングが趣味で走っているので、速くて、普通に走っている自転車だと並走するか抜かしてしまうそうです。(そうとう速いですね!)

 

それで、ある時、自転車にのっているご近所の方に霊的なものと間違われて、「きぃやあああっ!」と叫ばれてしまったそうです。(迫真の叫びで再現してくれました)

 

拡樹さんもびっくりしたことでしょう😅💦

 

それ以来、自転車を見かけたら、できるだけペースを落として後ろからついていくようにしているそうです。

 

 

ランニングをするのもいろいろと大変なのですね💦

 

拡樹さんが、毎日、好きなだけ思いっきり走れるといいなと思いました ʕ๑′ᴥ‵๑ʔ

 

 

🍉12/18 追記🍉

 

普通の自転車は、時速12~20kmくらいだそうです。

 

拡樹さんは2時間くらい余裕で走る、つまりフルマラソンと同じくらいの時間です。

 

トップクラスのマラソンランナーは時速20kmくらいだということを考えると、拡樹さん、ものすごく速いですよね!

 

わたしが拡樹さんの学校の陸上部員ならスカウトしていましたʕ ΦᴥΦ ʔ✨

 

 

🍉追記🍉 

手塚治虫先生のオフィシャルサイトで、上映会がレポートされています。

 

トークショーの一部書き起こしもあります。

 

放送間近! アニメ『どろろ』先行上映会の模様をお届け!|虫ん坊|手塚治虫 TEZUKA OSAMU OFFICIAL

 

記事に星をくださったみなさん、ありがとうございます

ʕ ❛ᴥ❛ʔฅ~~💓