宇宙シロクマ

Tuscan Blue's blog

髑髏城の七人 Season月 下弦の月 感想 2月5日(月)1回公演

 

2月5日は、64公演中、52公演目でした。

 

この週は、5日、7日、10日と、まさかの週3登城をしてしまいました。

 

下弦を好きになってから、「生まれて初めてしたこと」がたくさん増えたのですが、これもそのひとつです。

 

鈴木天の演技は、7日まではコミカルが入った路線がつづいていました。

 

ところが、10日には一転、道化的な要素が消えて、重みのある正統派ヴィランになったので驚きました。

 

鈴木拡樹さんは、万華鏡のようですね。

 

正統派ヴィラン路線は前期にも見ましたが、ひさしぶりにあらわれた10日は、いっそう研ぎ澄まされていてノワールでした。

 

コミカル天とノワール天、どちらが好きかと聞かれると、どちらも好きですが、ノワールのほうが好きかな……?

 

精悍で男らしくて、かっこいいので。

 

でもノワール天のことは、いったん忘れて、5日について書こうと思います。

 

5日の天の演技はとてもすばらしくて、別世界に突き抜けていたのです。

 

あまりに凄かったので、なかなか書く気になれなくて、こんなに時間がかかってしまったほど……

 

 

f:id:tuscanblue2015:20180310083318j:plain【ここから先はネタバレを含みます】

 

 

 口説きの場

 

 

(わたしにとって、口説きのメインは前半です)

(一般的には後半の夢見酒のほうが人気で需要があると思います)

(でも前半のほうが好きなので、きょうも前半だけ!)

(もうあとわずかなので、好きなことだけ書きたいのでした……)

(以前、夢見酒について書いたときは、正直、無理してました……💦)

 

 

5日の天は、初めて見る天でした。

 

これまで見た口説きの中では最高峰。

 

蘭と共に、あの場にいた1300人が説得されたはずです。

 

 

「殿はおまえに生きろと言い、私に死ねと言った!」

 

これは、天魔王が蘭兵衛に言う重要なセリフです。

 

これまで下弦天は、強くて自信にあふれた顔で、まるで勝利宣言をするかのように告げていました。

 

「私のほうがおまえよりも殿に信頼されていたのだ」と見せつけて蘭をだます、巧妙な演技です。

 

『私は殿に武士として認められていた』

 

『生き恥をさらせと言われたおまえとは格がちがう』

 

『だから私には殿の遺志を継いで第六天魔王となる資格がある』

 

……という内容が凝縮されたセリフです。

 

それゆえ、

まるで自慢するかのように、

「私に死ねと言った!」

と、高らかに宣言していたのです。

 

ところが、2月5日は違いました。

 

天魔王は、ふわっと夢見るような笑顔になって天上を見あげ、感極まった声でうれしそうに言ったのです。

 

その姿が、まるで少年のようだったので、思わず目を見張りました。

 

こんなにやわらかい表情を見るのは初めて……

 

そこにいるのは天魔王ではなく、十代後半くらいの小姓だったのです。

 

そして少年がまぶしそうな笑顔で見つめる先は、いつも天魔王がキスを投げる方向だったので鳥肌がたちました。

 

あの視線の先には信長がいるのだと気づいたからです。

 

 

天魔王の目には、今も天上の信長が見えているのでしょう。

 

そしてその信長とは、死の間際にくだらないことを言うような殿ではなく、彼が夢見る理想の殿……「理想の天」なのでしょう。

 

その「理想の天」にむかって、彼はいつもキスを投げているのでしょう。

 

 

きっと小姓時代も、あんなふうに素直な笑顔を浮かべて、あこがれのまなざしで信長を見上げていたのだと思います。

 

もしかすると天魔王は、「殿に死ねと言ってほしかった」と願うあまり、本当にそう言われたと信じこんでしまっている部分があるのかも……?

 

そんなふうに思ってしまうほど、うっとりと夢見るような笑顔でした。

 

 

あれは、蘭丸をだますための演技のようには見えませんでした。

 

天魔王の心の深奥が、かいまみえた瞬間だったのではないかと思います。

 

 

*************

 

こんな天魔王は初めて見たので、驚愕しました。

 

天魔王のメイクと衣装でいながら、

そして口説きという激しいシーンのはざまで、

あんなやわらかい心をもつ少年を表現するなんて……

 

鈴木拡樹さんの演技力に驚嘆するばかりです。

 

ついさっきまで年上だった天魔王が、急に年下になっていたのですから!

 

あまりに衝撃的だったので、その後の展開がよく思い出せないくらいです。

 

この感情は、いったい何と表現すればいいのか……

 

「ひれ伏す」が近いかもしれません。

 

 

これは、初めて下弦を見たときから思っていたことなのですが、鈴木拡樹さんを天魔王にキャスティングした方々は天才だと思います。

 

いのうえひでのりさんは天才。

配役にかかわったすべてのスタッフも天才。

心から感謝しています。

 

普通の配役スタッフなら、彼を蘭に配役すると思います。 

いちばん、ご本人のイメージに近いからです。

 

もしそうなっていれば、鈴木拡樹さんは当然、完璧な蘭を仕上げてきたことでしょう。

 

容易に想像できます。

 

白い曼殊沙華の殺陣など、目に浮かぶようです。

 

そしてわたしは初めて、蘭というキャラクターに興味をもったかもしれません。

 

でも、ここまで心を動かされることはなかったでしょうし、毎日まいにち、彼の演技について書くこともなかったはずです。

 

ところが、いのうえさんもスタッフも天才なので、鈴木さんを天魔王に配役した。

 

そして鈴木さんが到達したのは、あらゆる人の想定を越えた天魔王だったのではないかと思います。

 

 

天魔王は、鈴木拡樹さんのキャリアにおいて確実に代表作のひとつとなるのではないでしょうか。

 

そんな天魔王の誕生に立ち会うことができたのは、とても幸せなことだと思います。

 

 

 

ここが髑髏城!

 

 

口説きの場で、天魔王が蘭兵衛に地図を使って説明をするシーンがあります。

 

「ここが髑髏城、ここが小田原城、猿が陣を敷くとすれば? ここ、石垣山だな」

 

このセリフ以降の芝居が、年明けから徐々にコミカルになっていきました。

 

今ではかなりおもしろいことになっていて、観客の笑い声があがるほどです。

(Twitterでも天魔王先生の地理講座とか呼ばれていて人気です)

 

テンポもアップしてリズミカルに。

 

そして「ここ!」の前に、なにかが入ってくるのです。

 

最近は、「ハァ~イ!」でした。

 

「ここが髑髏城! ここが小田原城! 猿が陣を敷くとすれば? ハァ~イ! ここ! 石垣山だな」

 

それが5日に急に「ァハァ~イ!」に変わったので笑いそうになりました。

7日は明確に「ア~~イ!」でした。

 

 

また、天が蘭に「殺し合いがよく似合う」というセリフがあります。

 

一見、クールでダークなセリフですよね?

 

それなのに天の演技は、

「殺し合いがよく似合うぅぅぅぅ💓」

みたいな感じで、

最後にハートマークがあって、

ちょっと気持ち悪いのです(ほめてる) 

 

 

 

扇シーン

 

 

5日は、過去最高でした……!

 

このシーンを見るのに最適な場所は、天魔王の正面です。

そこにいれば、最初から最後まで完璧に見ることができます。

 

ところが左右に離れた席だと、天がスクリーンにすぐに隠されてしまうので、残念ながら最後まで見ることができないのです。

 

わたしの席は、上手のサブセンターブロックでした。

以前、近くの席だったことがあり、扇を見ることができなかったので、今回もあきらめていました。

 

ところが!

 

なぜか幸運にも見られたのです。

 

天が、やや高い位置で扇の地紙を見せるひらき方をしたので、たまたま角度がちょうどよかったのかもしれません。

ラッキーでしたʕ^ᴥ^ʔฅ

 

ひらき方も、初めてよく見えました。

 

日舞でお扇子をひらくときのように、右手で押しだしてひらいていました。

 

(左手でお扇子の下の骨部分をおさえて、右手で上の親骨を押しだすひらき方です)

 

(ちなみに日舞では、お扇子の上の部分を「天」といいます)

 

 

二幕、無界屋襲撃前、髑髏城

 

蘭丸が去ったあと、天魔王は客席に顔をむけ、「おもしろい」と言ってにやりと笑みます。

 

そして扇をひらきながら真顔になっていったのです。

何かを考えているような表情でした。

 

すぐにスクリーンが走って天魔王を隠してしまったので、その後、扇であおいだのかどうかはわかりません。

 

扇の角度からすると、あおがなかったような気もします。

もしあおいだとしても、ゆったりと数回……でしょうか?(想像)

 

「扇をひらきつつ真顔になっていく」演技は、初めて見ました。

 

 

見られないと思っていたので、幸せな気分になりました。

 

 

帰るときも、車窓にうつった顔をふと見たら、自然と笑顔になっていました。

 

 

 

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ここまで読んでくださって、どうもありがとうございますʕ๑′ᴥ‵๑ʔ

 

5日、いちばん印象に残ったのは、口説きの場での初めて見る天でした。

 

蘭兵衛や極楽太夫のことも書きたかったのですが、7日のレポにしたいと思います。

 

 

「千穐楽」に、コメントや星をどうもありがとうございます。

とってもうれしかったですʕ•ᴥ•ʔฅ💕

 

千穐楽にいけない方に少しでもお伝えできるように、目に焼きつけてきたいと思います。

 

 

それでは、またあしたʕ ❛ᴥ❛ʔฅ~~💓