宇宙シロクマ

Tuscan Blue's blog

髑髏城の七人 Season月 下弦の月 感想 1月29日(月)1回公演

tuscanblue2015.hatenablog.com

 

1月29日は、わたしが見た下弦史上最高の舞台でした。

 

下弦の住人たちには永遠にそこにいてもらいたい……!と願ってしまうほど、完璧な世界。

 

夢のような4時間でした。

 

今は下弦の月を見上げることができてこんなに幸せだけど、もうすぐ終わりがきてしまうなんて、なんという悲劇。

 

廣瀬智紀さんがブログに書いていたように、永遠に続いてくれたらいいのに……

 

https://ameblo.jp/tomoki-hirose/entry-12348508903.html

 

f:id:tuscanblue2015:20180122052518j:plain

【ここからはネタバレを含みます】

 

 

六欲天ダンス

 

 

愛と憎悪が、いつもより激しく表現されていました。

 

天魔王も鎧ダンサーズも。

 

あまりに激しくて、天魔王の髪が襟かざりにかかって乱れてしまったほど。

 

ついに無敵の鎧を手に入れたという歓喜、そして天への野望が伝わってくる踊りでした。

 

まだ天魔王の頭の中にしかなかった夢の城に「髑髏城」なんていう名前をつけていたり。

 

「髑髏城で、待っている!」と未来へ宣戦布告したり。

 

おそらく、エゲレスをふくめた未来地図も思い描いていたことでしょう。

 

8年後、まさかあんなことになろうとは、思いもしなかったころ……

 

未来への夢と野心が満ちあふれている、天魔王のダンスでした。

 

 

 

天魔王の声

 

 

天は基本的に良い声をしているのですが、これまでは声質が均一でなかったというか、ときどき、「今どこから出しました?」というような声になることがありました。

 

芝居による声色の変化、というだけでは片づかないような……ちがう人間の声がまざっているように聞こえることがあったのです。

 

いろんな声が出せるので、どの声にするか決めかねている、というような発声でした。

 

でも29日は、最初から最後までブレのない天魔王の声で、すごくよかった。

 

もしこの声で決めてくれたのなら、本当にうれしい!……という完璧な発声がベースにあって、芝居による声色の変化はすべてその範疇にあったのです。

 

気絶しそうなほど良い声でした。

 

新感線さん、エンドレスにしてずっと聞いていたいので、29日の録音ください。

 

 

 

納得の結論

 

 

29日の天は、芝居が抜けることもなく、最初から最後まで完璧に天魔王で、凄かったのです。

 

一幕も二幕も、どのシーンをとってみても同じ天がいて、一切ブレがない。

 

下弦天魔王は今ここで完成され、これ以降は、より熟成されていくのだと思います。

 

千穐楽まであとひと月を残してこの状態になるなんて、なんて理想的!

 

これから下弦天を見る方はラッキーですよ。

 

もはやどこを切っても、最高の天しか出てきません。

 

 

以前にも書きましたが、わたしが下弦の天魔王に興味をもったのは、中の人の個性がうっすらと透けて見えたからです。

 

(この演技、透けて見える……)

 

(→おもしろいな~)

 

(→天が好き)

 

……という流れです。

 

でも、なぜか見えない人のほうが多かったようで、「役者本人がどこにもいない」というディスに悲しい思いをしていました。

 

やはり、コアな新感線ファンの方々は、役者のキャラクター重視なので、個性をどーんと前面に押しだした役者が人気なのだと思います。

 

(わたしはまったくコアではなく、ただ学生のときに見る機会が多かったというだけなので、そういうこだわりはありません)

 

鈴木拡樹さんは、役柄に自分をひきつけて演じるのがとても上手なのだと思います。

 

そして、ご自分の気配を消すのもうまい。

 

おそらく、そういう演技法が好まれる作品もあるのでしょう。

 

ただ、髑髏城の場合は、もっと本人を打ち出したほうがより観客に好まれるので、「もっと出してほしい!出せるはず!」と、ずっと思っていました。

 

29日の下弦天は、これまで見たどの下弦天よりも、鈴木拡樹さん本人が真ん中にいたように思います。

 

「自分を消して天魔王になろうとする鈴木拡樹さん」ではなく、「鈴木拡樹さんの天魔王」でした。

 

正直、これまでの下弦天と全然ちがっていて、「誰!?」ってくらいかっこよかったので、びっくりしました。

 

そこで初めて気づいたのですが、鈴木拡樹さんという方は、たぶん、すごくかっこいいのでしょうね。(今まで気づかなくてすみません……ʕ•ᴥ•ʔ💦)

 

だから29日の天魔王は、すごくかっこよく見えたのだと思います。

 

 

納得の結論……!

 

 

 

天魔王の殺陣

 

 

いつも読んでくださっているみなさんはご存じかと思いますが、わたしは剣術が好きです。

 

たしなみ程度ですが、子供のころにフェンシングを少し、剣道を少し習いました。

 

また、バレエを長く踊っているので、剣舞の基礎の基礎はあると思います。

 

魅せることが大切な殺陣は、剣術とはまた別です。

 

そして殺陣にもいろいろあって、ジャンルによって求められるものがちがいます。

 

下弦天魔王の殺陣のよいところは、太刀筋がきれいなところだと思います。

 

そして、物語が見えるところ。

 

どんなに荒々しく斬っていても、「実は、天魔王には丁寧な基礎がある」という物語が見えるのです。

 

「天魔王は今はこんなに乱暴で、お酒を呑むときのお行儀も悪い(あるいは悪く見せている)けれど……」

 

「でも、もとは織田信長の小姓になるだけの素養のある武家の子供だったのだ」

 

「剣の基礎はそのころに身につけたのだろう」

 

「剣が乱れていても基本が端正なので、武家出身ということがわかってしまう」

 

……というような背景が伝わってくる殺陣です。

 

そして何よりもすばらしいのは、鈴木拡樹さんが演技の流れの中で斬っていることです。

 

殺陣と演技が分離していない。

 

これはとても重要です。

 

なぜなら、髑髏城の殺陣は、芝居の一部なのですから。

 

役柄とシーンにふさわしいことこそが大切なのではないでしょうか。

 

 

下弦天の殺陣の構成は派手ではありません。

 

役柄にあわせて重厚に、そして「ほの昏く」してあるのだと思います。

 

わたしは「芝居を生かす殺陣」が好きなので、天の殺陣も好きです。

 

 

 

捨之介「今度は間にあわせる」

 

 

捨之介が蘭兵衛に「今度は間にあわせる」と言ったとき、蘭兵衛は大きな反応をみせます。

これは、「捨之介は本能寺の変に間にあわなかった。誰のことも救えなかった」という大前提をもとにした会話です。

 

しかし、月髑髏では、その大前提があまり表だっていないので、このセリフにちょっとした違和感をおぼえる方もいらっしゃるのではないかと思います。

 

そんな宮野捨之介を見ていて、ふと思ったのですが……

彼はもしかするとタイムリープしているのかもしれません。

 

捨之介は天魔王を救おうとして、何度もタイムリープしているのですが……いつも間にあわない。

 

いろんな設定を変えて、役者を変えて、セリフを変えて、「髑髏城の七人」を何度もくり返しているのに、結局、天魔王は死んでしまう。

 

「今度は間にあわせる!」

 

そんな強い覚悟のセリフなのかも……

 

……と、つい想像してしまうほど、宮野真守さんの捨之介は、「友を助けるためのタイムリープ」が似合う主人公だと思います。

 

 

 

蘭兵衛の殺陣

 

 

一幕ラスト、白い曼殊沙華の野で、最大の見せ場の殺陣があります。

 

蘭兵衛がジャンプターンしながら斬るところで、この日は、「え!」と目を見張るほど高く跳躍して驚きました。

特に下手側で跳ぶとき……

ダブルジャンプできそうなほどの余裕がありました。

 

千穐楽あたりにはザンレールしているかもしれません。

 

 

 

二幕、口説きの場、天蘭の殺陣

 

 

蘭兵衛が斬りつけてきたとき、天魔王は喜色満面の笑みを浮かべます。

 

24日ソワレのライブビューイングでは、蘭兵衛が二度目に斬りつけてきたときに、天魔王は声を上げて笑ったような気がします。

 

ただ、幻聴だったかもしれないので、29日は注目したいと思っていたのです。

 

(同じ演技をしてくれるとはまったく期待できませんでしたが💦)

 

結論、29日は笑い声はあげませんでした。

 

でもやはり、とてもうれしそう。

 

心の底から愉しんでいるようです。

 

 

天蘭の心理戦については、31日のレポに書きたいと思います。

 

 

 

そんな?こんな?

 

 

 (※殺陣稽古のときのセリフが「そんな」だったので、台本では「そんな」なのかと思っていたのですが、実際はどうなのでしょう?※)

 

 

天魔王が「そんな剣で……」「そんな覚悟で……」と言いながら蘭兵衛を後退させていくところが好きなのですが、最近は、「こんな剣で」と言っています。

 

左手で蘭兵衛の剣を指さしながら「こんな剣で……!」と。

 

おそらく、蘭兵衛の位置が近いから、「こんな」のほうが自然なのだと思います。

 

たとえば、剣を交わした次の瞬間、バッと遠くに飛んで離れたら、「そんな剣で」がふさわしくなりますが、近くにいると、「こんな剣で」になりますよね。

 

言葉の感覚として、そのほうが正しい。

 

だから、もし蘭兵衛が離れていたら、「そんな剣で」と言うのかもしれません。

 

「そんな覚悟で……」のときは、蘭兵衛がちょっと離れているので、「そんな」が自然なのだと思います。

 

ここはとても好きなので、また注目してみたいです。

 

 

 

左頬の傷

 

 

蘭兵衛の剣で、天魔王の左ほおに傷が入ります。

 

仮面で顔を隠したすきに、自分で左耳からあごの先にむけて血の跡をつけるという早業です。

 

鈴木天魔はずっとこれに挑戦しているので、ひそかに応援していました。

 

29日は、仮面をとったときに、赤い血がにじむ刀傷が自然に入っていて、とてもよかったと思います。

 

あるいは、31日ソワレのほうが細くてきれいな線が入って、美的な完成度としては高かったかもしれません。

 

でも29日の傷は、まるで血がにじんでいるようで、刀傷としてリアルでした。

 

蘭兵衛の剣の迫力が伝わる、いい傷跡だったと思います。

 

 

 

扇シーン

 

また見られなかった……!

 

 ʕ ˃̣̣̥ᴥ˂̣̣̥ ʔかなしい。

 

わたしの席は、上手のサブセンターブロックでした。

 

天は上手に立つことが多いですし、最期の表情もよく見えたのですが……

 

鉄壁のスクリーンにはばまれて、扇は見られませんでした。 

 

完全な扇シーンを見るには、天の正面、一択なのでしょう。

 

ああ、一度でいいので、近くで見てみたかった……

 

 

 

無界屋襲撃

 

 

無界屋襲撃では、蘭丸がいろんな意味で派手なので注目をあつめるのですが、わたしはいつも天魔王のこまかい芝居から目が離せません。

 

斬るたびに、天の性格があらわになっていくからです。

 

たとえば、天は荒武者隊を斬り捨てたあと、手にベッタリとついた血を見て、嫌そうな顔をします。

 

手をふって落とそうとするので、心底、嫌がっているのが伝わります。

 

(そんなに嫌なら殺さなければいいのに……と思うのですが、天にとっては愚問でしょう💦)

 

 

服部半蔵と忍群が颯爽とあらわれるシーンは、一枚の絵としてすばらしい。

 

中央に半蔵、上手に天魔王、下手に蘭丸。

 

長いマントがひるがえり、熱風が渦を巻いて舞い上がるのが見える……

 

最高の演出です。

 

 

 

「人間五十年」と蘭丸

 

 

天魔王は服部半蔵が強敵だと一瞬にして悟ると、さっと身を引いて逃げます。

冷静な状況判断で、いかにも彼らしいですね。

 

仮面をつけた天魔王は、「人間五十年、ゆめまぼろしのごとくなり……」と、敦盛を口ずさみます。

 

その後ろに立っている廣瀬蘭の演技が凄いので、ぜひ注目してください。

 

「人間五十年…」を聞きながら、蘭丸はうっとりとした表情で目を閉じ、陶酔するようにほほえんで深呼吸し、天上を仰ぎます。

 

信長のことを思い出しているのです。

 

それから下手をむいて、観客に横顔を見せながら、右手で顔の右半分をおおいます。

そして恍惚の表情でため息をつきながら、その手をゆっくりと下へずらして離していくのです……

 

蘭丸にとって天魔王は、信長との日々を思い出させてくれる存在なのでしょう。

 

目を閉じて耳をすませれば、まるでそこに信長がいるかのよう……

 

ただ、蘭丸は、天魔王イコール信長だとは思っていないような気がします。

 

あくまで目を閉じたときだけの、夢みたいなもの。

 

 

 

ウィッグ問題

 

 

まわる髑髏城への出演は過酷なので、キャストの多くはやせてしまいます。

 

一公演だけでも大変なのに、一日二回まわしなので、想像を絶する苛酷さだと思います。

 

専門家の友人によると、体重が3キロ減ったら頭のサイズも変わるそうです。

 

下弦のみなさんも、3キロくらいはやせてしまったのではないでしょうか。

 

これは「Season月」以外のSeasonでも起こったことなのですが、まれに、ウィッグがずれたり、飛んだりしたことがありました。

 

もしかすると、ちいさくなった頭のサイズにあわなくなったからという可能性もあるのかもしれません。

 

今の頭のサイズにあわせて、ウィッグを調節してもらえたらよいのですが……

 

29日も、重要な場面で、あるキャストのウィッグがずれていることに気づきました。

 

胸の鼓動が早まって、どうかはずれませんように……と、祈りながら見ていました。

 

幸い、はずれることはなく最後まで持ちこたえたので、心の底からほっとしました……

 

 

どうか何事もなく、千穐楽まで駆け抜けられますように。

 

 

 

f:id:tuscanblue2015:20180309112616j:plain

 

ここまで読んでくださって、どうもありがとうございますʕ๑′ᴥ‵๑ʔ

 

極楽太夫のことなど、ほかにも書きたいことがあるのですが、1月31日のレポにまとめようと思います。

 

31日ソワレも、とてもすばらしい公演だったのです!

 

次の登城は、5日。たのしみです。

 

それでは、またあしたʕ ❛ᴥ❛ʔฅ~~💓