宇宙シロクマ

Tuscan Blue's blog

髑髏城の七人 Season月 下弦の月 感想 1月20日(土)マチネ

 


64公演中、39公演目だったそうです。

終わりが近づいてきていることを思うだけで、さみしくなりますね……

 

最近、いくらなんでも回転しすぎでは?と思うほど、(対自分比では)回転しているのですが、今しか観られない舞台だと思うと、豊洲でぐるぐるせずにはいられません。

 

だって次は7年後ですよ?

7年後、いったい自分がなにをしているのやら、さっぱりわかりません。

下弦のキャストで髑髏が見られるのも、これが最後……

だからこそ、カルペ・ディエム。

 

20日の下弦も絶好調でしたので、あすのライブビューイングでは最高の舞台を見せてくれるのではないでしょうか。

 

最高のときに映像が残せるなんて、なかなかあることではないので、必見です。

まだ迷っている方は、ぜひ当日券で!

 

全国各地のみなさんと、同じ月を見つめる……というのも素敵。

 

映画館で見るスクリーンの向こう側には、日本中のスクリーンがあって、それらすべてがひとつになって豊洲の髑髏城につながっている……と考えると、時空のひろがりを感じます。

 

スクリーンの向こう側には宇宙がある。

 

 

 

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 【ここから先はネタバレを含みます】 

 

 

Heavy Duty/ Defenders of the Faith

 

開演時に流れているのは、Judas Priestの曲です。

 

最近では、あの重たいリズムを聞いただけで胸がどきどきしてしまいます。

 

だってすぐに「人の男」が出てくるわけですから!(心の準備、心の準備)

 

しかも、何度か聞いているうちに、歌詞が「天魔王誕生」への導入にふさわしいということに気づきました。

 

タイトルは、「苛酷さに耐える / 信仰を擁護する者」というような意味です。

 

「Defenders of the Faith」は、最後に何度もくりかえされる歌詞でもあります。

月髑髏にふさわしく訳すとすれば、

「信念を守る者」

 

最後は、こういう歌詞で終わります(下弦風味訳)

 

「さあ、こっちに来い……

 全世界に告げよう

 我々は信念のために生きる」

 

天魔王が言いそうなセリフですよね。

まるで口説きの場で蘭丸を誘っているときのようです。

 

歌詞の内容は、観客を煽っているようにも聞こえます。

 

「信念を守る者」というタイトルも、天魔王にふさわしい。

彼は、みずからの理想を信じて、天魔王になったわけですから。

 

 

 

捨之介(宮野真守さん)

 

 

お隣の席だった方が長年の宮野さんファンの方で、いろいろとお話を聞かせてくださいました。

「宮野さんのおかげで、さまざまな舞台を見にいくことができて、世界が広がってうれしいです」とおっしゃっていて、とても素敵だと思いました。

 

Twitterフォロワーのakiさんの言葉も素敵だったので、引用しますね。

 

「宮野さんの活動からキッカケをたくさんもらえました。宮野さんの舞台出演がわたしの観劇経験になり、帝劇にも梅芸にも……そしてステアラにも足を運ぶ事ができました。

それに何と言っても!

観劇しなければ接点がなかったであろう方々とも出逢うことができて、感謝しています」

 

わたしはこれまでの人生で、誰か個人のファンになったことはないのですが、こういうおたがいに高めあっていける関係はとても素敵で、うらやましいと思いました。

 

宮野さんがファンの方に愛されているように、宮野捨は観客に愛されている捨之介だと思います。

 

宮野捨の特徴は、いつでも、性格のよさが舞台上にあふれて見えることではないでしょうか。

颯爽と登場するときも、ふざけているときも、苦しんで無理をしているときも、ボロボロになって戦っているときでさえも。

 

わたしが特に好きなのは、一幕の見せ場のひとつである、無界屋ガールズとのダンスです。

 

捨之介は、あれで一気に観客の心をつかんでもっていきます。

あのダンスがあんなに板についている捨之介は、あとにも先にも、彼ひとりなのではないでしょうか。

 

いつ見ても華やかで楽しい上に、世界観がよく表現されているダンスシーンだと思います。

 

 

 

天魔王(鈴木拡樹さん)

 

  

扇シーン(←名づけた)

 

ちょっとマニアックすぎて、ごく少数の下弦天マニアにしか需要がないかもしれませんが……好きなシーンなので取りあげるのも4回目!

 

今回はちゃんと見られました!

うれしいʕ๑′ᴥ‵๑ʔ

 

最後の最後になるまで扇をひらかないヴァージョンでした……最後だけパタパタ。

 

そして、ここにいたるまでの流れも、じっくり魅せてくれて、とてもよかったのです。

 

蘭丸が自信ありげに「来い」と言って去っていくのを、天魔王は愉しそうにながめています。

念願だった蘭丸を手にいれて、愉しくてしかたがないのでしょうね。

 

しかもその蘭丸が、みずから率先して策略を立て、行動しようとしているのですから。

これは天魔王にとって、期待していた以上に小気味よい流れ。

あわよくば家康の首まで獲れてしまうかもしれない。

 

まさに、「……おもしろい」

 

 

 

「静」の演技

 

 

演技を「静」と「動」にわけるとすれば、最近の天魔王は「静」の演技が印象に残ります。

 

たとえば、二幕、口説きの場。

 

蘭丸に霧丸をまかせているあいだ、天魔王は上手の奥で、観客に背をむけて立っています。

客席の位置によっては、横顔が少し見える程度。

 

やはり「顔」は万感の思いを伝えるので、表情を見せたほうが演技としては楽です。

 

顔を見せない演技は、見せる演技よりもずっと難しい。

 

けれども天魔王の感情は、後ろ姿からも充分に伝わってきたように思います。

 

長いマントの揺らぎひとつで、ああ、今、嗤っているのだということがわかるのです。

天魔王は、この状況を愉しんでいるのだと……

 

いわゆる「背中で語る」という演技ですね。

これができると、演技の幅が倍になります。

 

 

無界屋襲撃のときにも、「静」の演技が多くなりました。

 

蘭丸を目立たせるためなのかもしれませんが、時々、すっと気配を殺すことがあります。

 

表情を大きく変えるような「動」の演技が多かった前期にくらべたら、とても静か。

 

それだけに、そのたたずまいの印象が強く残るのです。

 

 

 

ところで……

 

下弦天魔王はいつも、一幕と二幕とで、少し雰囲気が変わります。

その理由は思い当たりましたが、ここには書かないことにしますね。

鈴木拡樹さんがこれからどうしていくのか、密かに楽しみにしていきたいと思います。

  

 

 

天蘭決戦

 

 

二幕、天蘭決戦の殺陣は、とても見ごたえがありました。

 

あの場は、演出からしてすばらしい。

天蘭が剣を交わしながら下手に移動するにつれて場面転換していくところなど、回転劇場ならではです。

 

そして殺陣も、その凄い演出と舞台装置に負けないだけの迫力がありました。

 

天蘭の殺陣を見るといつも思うのですが、あきらかに天のほうが技量が上です。

 

これはもう、一目瞭然。

 

剣を手にした時点で、力量の差がわかってしまう。

 

だからすぐに殺そうと思えば殺せるだろうに、天はそうはしない。

むしろ、蘭が死に物狂いでむかってくるのを愉しんでいる。

まるでこの時間の喜びを少しでも長く引きのばそうとしているかのように……

 

猫がねずみを追いつめて、もてあそんでいるようにも見えます。

 

 

「務め、ご苦労」のときの天魔王も、凍るように冷たい表情をしていました。

 

そしてその静けさが、いっそう非情だったのです。

 

 

 

 

蘭兵衛(廣瀬智紀さん)

 

 

一幕の蘭兵衛は、びっくりするくらいよかったです。

 

どれくらいよかったかというと、「これから先、蘭のことを考えるたびに、それはほかの誰でもなく確実に廣瀬智紀蘭の姿をしているはず」と思うくらいよかった。

 

声も、これまでで一番でした。

13日は、低く出そうとして少し外したようなところがあったのですが、今回は完璧に近い。

 

「下弦蘭兵衛と下弦蘭丸は違いすぎて違和感」という感想をときどき見かけますが、それは以前までの話。

うまく進化してきたので、蘭兵衛と蘭丸は、それほど遠い存在ではなくなりました。

 

たとえば、「いい月夜ですなあ……」からはじまる最初の殺陣で、蘭兵衛は少し笑っていたのです。

そのようすを見て、ああ、この人はもともと蘭丸だったのだ、ということが理解できました。

 

これは、二幕、無界屋襲撃時に蘭丸が言う「愉しいなあ」への伏線にもなっているのでしょう。

 

今や、蘭兵衛にとって蘭丸は、少し手をのばせばふれあえる関係。

蘭兵衛の姿をしていても、時折、蘭丸の影がのぞいて見えるのです。

 

 

ひそかに無界屋を去って、天魔王のもとに向かうシークエンスも、とてもよかった。

 

蘭兵衛は回転する客席と共に、上手へ上手へと歩いていきます。

少し離れた場所から、薄く微笑んで無界屋を見あげ、静かにうつむいて目をとじます。

そして次に目をひらいた時には、殺気がみなぎっていたのです。

蘭丸が顔をのぞかせた瞬間でもあります。

 

そして即、白い曼殊沙華の野で黄泉の笛を吹いているのです!

 

この展開を最高といわずして一体何といえばいいのか?

 

もっとも、ここは演出と台本がすばらしいので、誰が演じたとしても鳥肌の立つシークエンスではあるのです。

いのうえさんと中島さんがすばらしい。

 

蘭は本当に、得な役だと思います。

 

それでも、廣瀬智紀さんは蘭を自分のものにしていて、すばらしかった。

彼ならではの蘭を生きていました。

 

 

そして死に顔もまた、壮絶でした。

 

目を見開いた蘭丸の亡きがらは……

白い歯をはっきりと見せるほどの、大きな笑顔だったのです……

 

 

  

霧丸(松岡広大さん)

 

 

正直、霧丸は、いちばん強いと思います。

なにをやっても上手だし、心身ともに強いので、あまり死にそうにない……

自死とか絶対しなそう。

 

なにがあっても最後まで生きのびるタイプ。

 

最後に捨之介を救うのも霧丸ですし、ちょっとした無敵感がありますね。

 

 

「髑髏城のすべての秘密は、ここにある」

これが、わたしがいちばん好きな霧丸のセリフです。

 

記憶の中で鮮明な沙霧たちは、このセリフのときは声を張って「髑髏城のすべての秘密は、ここにある!」と、高らかに宣言していました。

そしてわたしはその言い方に、なんとなく違和感をおぼえていたのです。

 

ところが霧丸は、静かに、やや陰鬱な響きを秘めた声で、「髑髏城の秘密のすべては、ここにある……」と、つぶやくように言うのです。

 

最初に聞いたときから、この声色がとても心に残りました。

 

このセリフは本当は、こんなふうに静かに言ったほうが、重みがでて良いのだと気づいたのです。

 

このほうが、霧丸が背負っている一族の無念や、「みんなを救えなかった」という彼自身の後悔、そして胸に秘めた強い覚悟が、ひしひしと伝わってくるように思います。

 

 

 

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ここまで読んでくださって、どうもありがとうございましたʕ๑′ᴥ‵๑ʔ

 

あしたもまた下弦の月がのぼる幸せ……

 

このブログには北海道から沖縄まで、日本全国の方が、さらには海外の方もきてくださっています。

 

LVを見る方も多いのではないでしょうか。

 

みなさんと、同じ月を見るのをたのしみにしています。

 

ʕ ❛ᴥ❛ʔฅ~~💓