宇宙シロクマ

Tuscan Blue's blog

髑髏城の七人 Season月 下弦の月 感想 12月13日(水)マチネ

劇団☆新感線 

作:中島かずき 演出:いのうえひでのり

捨之介     宮野真守

天魔王     鈴木拡樹 

無界屋蘭兵衛  廣瀬智紀

兵庫      木村了 

霧丸      松岡広大 

極楽太夫    羽野晶紀 

狸穴二郎衛門  千葉哲也

http://www.tbs.co.jp/stagearound/tsukidokuro/cast/kagen.html 

 

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前回 11月27日(月)18:00(1回公演)

今回 12月13日(水)12:30(マチネ)

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あんなに完成度の高かった下弦の月ですが、たったの2週間でさらに進化していて驚きました!

 

前回の「感想」にも「進化するはず」と書きましたが、まさかこんなに早く、ここまで上げてくるとは……想像をはるかに凌駕していました。

 

おそるべし、下弦ポテンシャル。

 

芝居といい殺陣といい、キャスト全員が進化していたので、全体的なスピード感も増して、時がたつのが前回よりも速く感じられました。

 

4時間とは思えないほど一瞬。

 

また、27日よりも物理的に見やすくなっていたような気がします。

 

ご存じのようにステアラは特殊な劇場なので死角が生じやすいのですが、それが立ち位置などの変化によって改善されていたように思います。

 

空間にあわせて自在に進化していく、下弦は生きもの。

 

ああ、もう、毎日見たくなっちゃうじゃないですか!

いっそ住みたい。

 

近いうちに必ず帰城したいです。

そのためには仕事をがんばらないと……

はあ、石油王になりたいʕ ˃̣̣̥ᴥ˂̣̣̥ ʔ

 

感動しすぎて書きたいことがたくさんあるので、次の観劇日まで、毎日、少しずつ書いていこうと思います。

 

Twitterでは更新告知をしませんので、よかったら時々、のぞいてみてくださいね

ʕ ❛ᴥ❛ʔฅ~~💓

 

【ここから先はネタバレを含みます】 

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私が「月髑髏」を好きな理由のひとつは、恋愛要素が少ないことです。

 

世の中のメジャーな創作物の多くが恋愛物であるか、商業的結果をだすためにラブ成分を強化注入されたものであることを考えると、とても貴重な存在です。

 

(蘭兵衛と天魔王の信長に対する気持ちは、蘭兵衛の場合は「失われた愛」であり、天魔王のそれは「愛という憎悪」なので、また別の要素)

 

私が好きなのは、友情の物語なのです。

 

もともと髑髏城という作品はよく少年漫画にたとえられてきましたが、月髑髏は特に、「努力!友情!勝利!」だった時代のジャンプ。

デスノ以前。

仲間との友情が輝いていたころを思い起こさせます。 

 

 

捨之介(宮野真守さん)

 

捨之介度がさらに上っていました。

そのためか、最後のセリフもより深く胸に響き、「終」の文字を見たときはいっそう切なくなり、まだ終わってほしくないと思いました。

捨之介の物語はこれからも続くのだから、もっと見続けていたくなります。

 

すべてを受けとめるおおらかな性格が宮野捨之介の個性なので、殺陣もまた、鷹揚なところが彼らしくて良いのではないかと思います。

大きな鷹が空を飛ぶように悠々とした動きで、一殺。

 

百人斬りは、「ギャグとしか思えないような発想でも真剣にやればかっこよくなる」ことの見本のような場だと思うのですが、とても難しい。

ところが前回よりも3人の連携がよくなっていて、敵方のみなさま共々、見ごたえがありました。拍手。

 

 

下弦の捨之介は、「陽」の人。

友情に篤い主人公なので、かつての仲間である天魔王を殺したくなかった。

救いたかった。

でも捨之介が差しだした「答え」は、彼にとっては正解であっても、天魔王にとってはちがうのです。

その答えでは生きていけない人間もいる。

そのことを最後まで理解できなかったのが、捨之介の不幸でした。

 

捨之介の目的は仲間を救うことだったのに、蘭兵衛も天魔王も死んでしまった。

ひとり残されてしまった捨之介……これはつらい。

 

天魔王の天下取りをはばんだという意味では、捨之介は目的を果たし、勝ちました。

けれどもそれは彼にとって、試合に勝って勝負に負けたようなものなのかもしれません。

 

新たな哀しみをふたつ負って、これからも捨之介は飄々と生きていくのでしょう。

 

 

蘭兵衛(廣瀬智紀さん)

 

「あれ? 蘭兵衛ってこんなによかったっけ……?」というのが2回目に見た感想です。

 

廣瀬蘭兵衛、とてもよかったです。

前回は薄い水墨画のようだったのですが、今回は色づいた水彩画のように見えました。

蘭兵衛という人間が立体的に見えたので、自然と目を引き、一幕は彼のことをよく見ていたように思います。

 

殺陣も場数を踏んで上達されていたので驚きました。

動きに無駄がなく、スピード感が増したと思います。

 

その結果、一幕ラストでは、すべてを捨ててここに立っているのだという気概が伝わってきました。

「安くはないぞ」と言ったときも、確かに、命の重みが感じられたものです。

 

そしてあの白い曼殊沙華、「あなたのことだけを想う」というのは、やはり信長のことなのだと思い直しました。

 

今回の観劇で、初回とは印象が変わったことがいくつかあり、「蘭兵衛」もそのひとつです。

特に「感想1」に書いた蘭兵衛は(別の記事にも書いたように納得できていないため正視できなかった部分なのですが……)、もはや全削除したいくらい😅

 

でもまあ、舞台はそのときに受けとったものがすべてだと思えば……(脱力)

 

あとでまったく違う感想を書きますが、これが13日マチネで私が受けとったことだと思ってください💦

 

 

霧丸(松岡広大さん)

 

27日にはあった、無界屋で極楽太夫が去ったあとに言う「ありがとう」というセリフがなくなったようです。

(ほかの公演日でもなかったそうなので)

 

あれは、本人の前では素直になれないけど実はいい子であることをあらわしたセリフなのかと思っていたのですが、なくなったことにより、霧丸はまだ誰にも心を許していないのだということが伝わりました。

そのため、こっそりと無界屋を抜け出す様子にも緊張感がうかがえました。

このほうがよりリアルなのかもしれませんね。

 

そして、この変更によって、

 

「最後のお別れのシーンになって初めて、霧丸は極楽太夫に『ありがとう』と言うことができた」

 

ということになりました。

 

少年はさまざまな経験をして成長したのだということが、よく表現されているひとことだったと思います。

 

 

荒武者隊

 

ダンスが生き生きしていて楽しく、とてもよかったです。

見ていると笑顔になります😊

 

贋鉄斎(中村まことさん)

 

武器をつくる刀鍛冶から、農具をつくる職人へ。

贋鉄斎のラストシーンは象徴的なので、いつ見ても、いいなと思います。

遠からず、平和な時代がおとずれるのだという予感。

この先にはきっと希望が待っているのだと……。

 

 

 

天魔王(鈴木拡樹さん)

 

 

はい、最大の驚き、天魔王。

 

とても一日では書ききれないので連載する勢いで最後に。

 

 

芝居が変わっていてびっくりしました。

 

たったの2週間で別の生命体に……

 

「わたしが27日に見た天魔王は夢だったのかな……?」と思うレベルで進化をとげていました。

 

(※どちらも良い天魔王であり、ただ純粋に「びっくりした~!」という報告です)

 

 

たとえば、前回の天魔王は30代くらいに見えました。

 

「信長の小姓時代の8年後」に、悪役補正をかけて外見年齢を少し上げてみた、というような適度な年ごろです。

 

ところが今回の天魔王は老成していたのです。

 

特に一幕など、あまりに貫禄があるので、初見の方は50代くらいのベテランに見えたのではないでしょうか。

 

役者の鈴木拡樹さんは32歳だそうですが、とてもそんなふうには見えませんでした。

 

もっとも、二幕になって蘭丸と話すようになると、彼と同世代に見えることもありました。

 

もしかするとそれは、髑髏党の首領として実際よりも年上に見せる必要がある公の場と、過去を共有する蘭丸と接するときのプライベートの場(=実年齢)との演じ分けなのかもしれません。

 

この新型天魔王は一体いつ生まれたのでしょう?

 

13日マチネに??

 

それとも、徐々に進化してきてこうなったのでしょうか???

 

ご存じの方がいたらぜひ聞いてみたいところです。

 

 

また、体の使い方、見せ方も変えていて、27日よりも大きな存在に見えました。

 

演技力があるので、同じ体を場面によって大きく見せたり小さく見せたりできるのだと思います。

 

たたずまいからして違っていました。

 

 

あと、これは27日にも思ったことなのですが、彼は存在感も出し入れ自由のようです。

 

あんなに強烈なキャラであるにもかかわらず、ほかの人物が中心になる場では(その方を立てるために)存在感がすっとひかえめになるのです。

 

バランス感覚が優れているのだと思います。

 

 

とにかく芝居が違うので、前回とは印象が変わったシーンがいくつもあります。

 

むしろ今回の天魔王を見たことで、私が抱えていた数々の疑問がパーッ!と一気に晴れわたりました。

 

たとえば、前回よりも、敵味方を問わず、話す相手に対する態度がドライになったように見うけられました。

 

老成したことで、甘さ減量、クールになったのでしょうか。 

 

 

蘭兵衛とのシーンの印象もずいぶん変わりました。

 

彼については書きたいことがたくさんあるので、また別の記事にしたいと思います。

 

 

信長の遺言

 

「殿は最後までおまえのことを気にかけていた……」

 

「天のことは忘れろ

 織田のことは忘れろ

 自由に生きろ」

 

「私のことは何ひとつ言わずに……」

 

 

私の幻覚でなければ、27日の天魔王は逆上しているように見えました。

 

感情を爆発させながら、全身でわかりやすく興奮していた。(幻覚?)

 

でも今回は、中央に立ち、のばした左手を見つめて当時を思い出すように、静かに重く、信長の言葉を口にしていました。

 

感情を表に出さないぶん、内側で、怒りや憎しみ、そして哀切が、ふつふつと煮えたぎっているようでした。

 

刀身に映って見えるのは本能寺なのか……

 

背後に炎がゆらめいて見えるほど迫力がありました。

 

 

 

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 ここまで読んでくださって、どうもありがとうございますʕ๑′ᴥ‵๑ʔ

 

 「人から天魔王、天魔王から人になったときの変化」や、

「エゲレスからの手紙をちゃんと読んでいる天魔王」

「落ちる瞬間の目がすごい」

「天魔王と蘭兵衛の殺陣稽古」

 

……などなど、ほうっておくと永遠に語り続けてしまいそうなので、ひとまずきょうはこれで終わりにしますね。

 

また明日、書きますʕ ❛ᴥ❛ʔฅ~~💓

 

 

追記】天魔王と蘭兵衛についての感想はこちらです

 

tuscanblue2015.hatenablog.com